ツバメの巣ストーリー

ツバメの巣ストーリー(6)インドネシア 初入国 編(ドキドキです。)

バタム島到着後は入管でビザの申請を行います。ビザ申請の人は私たちを含め6名です。当時私は口と顎まわりに髭を生やしていました。入管の手続きで、なぜか私だけ時間を費やしています。
トーマス氏は私に向かってISだと言って笑って冷やかすのですが、私にはその言葉はシャレにならず、たまりません。思わず固まって閉口していました。

ようやくビザもおりて無事インドネシアへ初入国です。入国後は、ここでもジープタイプの車と運転手が待機しています。その車に乗ってバタム島のリゾートホテルへチェックイン。

部屋に入ると、白を基調にして想像していたよりキレイな部屋でした。お風呂場には、浴槽はありません。上から落ちてくるシャワーだけです。テレビを付けると、イスラム国特有なのか、テレビ番組が他の国とはとても違った感じがします。

少し休憩後に夕食の時間となり、場所は少し離れた所にいくということで、運転手付きの車で移動です。

途中すれ違うのは、とてつもないバイクの集団です。信じられないくらいバイクに乗っています。子連れの若いお母さんは、子供を前後に乗せて、なんとバイクの5人乗り。もうサーカスの曲芸の域に達しているのではないかと思うくらいです。
大混雑の中で、事故も起こさずに、皆が器用に一斉にバイクで移動するさまは圧巻ですらあります。

とにかく若者の多さには驚きます。国民の平均年齢が29歳と聞き、若者らのバイク軍団の迫力は、今後のインドネシアの経済成長のポテンシャルを感じました。とにかく、とてつもないバイクの数に圧倒されました。

夕食は美味しい蟹を食べさせるというので、どんな料理だろうと期待しつつ、車は橋を渡り高台のレストランに到着です。レストランには他にお客は見えず、ほぼ貸切状態の中で食事が始まりました。

インドネシアはイスラム教徒が大多数であり、アルコールは飲みません。しかし、トーマス氏は華僑であり、なんとクリスチャンなのです。ですので、お酒は飲むことができます。飲み物はビールで良い?促され、Yesと答えると瓶ビールが運ばれてきました。私はトーマス氏に、イスラム国なのにアルコールは大丈夫か?後でむち打ちの刑にはならないか?と質問すると、大笑いしながらノープロブレムとの返答です。

ビールで乾杯!そして大きなお皿に赤と黒色の蟹が出てきました。私は知らなかったのですが、これが有名なペッパークラブという料理です。食べると本当に美味しいです。が、やはりペッパーだけあり胡椒辛いのです。私は胡椒辛いものにはすぐ反応し、頭皮から大量の汗をかいてしまいます。この時はペッパークラブの辛さに反応し汗だくです。もう一人サウナ状態でした。高台のレストランで夕日を眺めながらの夕食は格別です。ビールがペッパークラブの辛さに合うので、美味しく食事(汗をかきながら、というより流しながら)を堪能する事ができました。

夕食後はホテルに戻り、シャワーしかない浴室で旅の汗を流し、早めに就寝しました。
ところが、早朝4時頃にとんでもない爆音でたたき起こされたのです。

暴走族の大群が押し寄せてきたか!と思うくらいの大爆音です。びっくりしてカーテンを開け、外を見るとバイクはありません。この爆音はよく聞くと、外に設置されている巨大なスピーカーから流されています。なんと街中に「コーラン」を流しているのです。イスラム教徒はこれに合わせて朝のお祈りをするようです。生まれて初めてイスラム教を身近で体験することができました。正直これには本当にびっくりしました。

ホテルで朝食を済ませ、チェックアウト後バタム島の空港へ向かいます。どういう飛行機に乗るのかさえ、知らされていません。すべて先方のルールに従うまでです。バタム島の空港はローカル空港で、日本にあるローカル空港と同様で、搭乗ゲートを出ると飛行機まで徒歩で移動です。

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